広瀬台はり院|コラム|加齢という不治の病

広瀬台はり院

コラム記事

最終更新日:2025年10月14日

加齢という不治の病

不治の病と言えば、みなさんは何を想像しますか?私は、「加齢」こそ「不治の病」ではないか?と思っています。加齢に伴い、膝関節症、変形性腰椎症を患う方が増えていきます。もちろん、整形外科疾患だけではなく、高血圧や糖尿病などを患う方も増えていきます。

アンチエイジング(抗加齢)という言葉がありますが、名前の通り、「加齢に抗うこと」は出来ても、若返ることは出来ません。どちらかと言えば、「より良い状態を保つこと」という意味合いが強いと思います。

昨今では、高齢者医療が当たり前となり、「キュア(CURE、治癒)」から「ケア(CARE)」の時代へとシフトチェンジしています。「治癒を目的に漫然と治療を繰り返すよりも、生活の質を念頭に、身体だけではなく精神的にも社会的にも健康を保つことのほうがより相応しいのではないか?」という考えです。

年齢を重ねる度に、より健康のブレ幅が個々人毎に差が出ていきます。そのため、よりケアを重ねていく必要があります。若年層では衰えづらい筋肉量や骨強度の低下、消化能力の低下が起きやすいため、「しっかり食べて、しっかり運動する」ことも年齢を重ねるほど大切になっていきます。いわゆる「年だからしょうがないよ、、、」と言った前時代的な考えは、徐々に薄れていっているとも言えます。

高齢者医療では、多剤併用(ポリファーマシー)の問題も指摘されています。ポリファーマシーとは、処方される薬が増えることで副作用のリスクが高まる現象を指します。一般的には、6種類以上の薬を服用すると副作用を起こす方が増えるといわれています。理由は、高齢者は薬の代謝や排泄の働きが低下するため、より薬の効果が体内で残りやすく、薬が効きすぎてしまうからです。めまいやふらつきによる転倒、認知機能の低下、便秘、排尿障害、不眠、食欲不振など、多岐にわたります。

実は、鍼灸はお薬との相性も良く、併用することで副作用をやわらげたり、お薬の量を減らせることがあります。こうした鍼灸と薬物療法の併用についての研究も進んでおり、相互に良い効果をもたらす可能性が示されています。投与量を減らすことで、本来の自分らしい健康を取り戻す方も報告されています。多剤併用(ポリファーマシー)の問題は、決して他人事ではありません。

加齢と言うのは不治の病であり、誰も避けて通ることは出来ません。「若い頃はすぐ治ったのに、最近はなかなか良くならない」と感じるのは自然なことです。「治らないならケアはいらない、、、」という意見もあるかもしれませんが、私はそうは思いません。むしろ「だからこそ、年を重ねるとより一層のケアが大切」と考える方が、より自然で現実的だと思います。

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