広瀬台はり院|コラム|鍼施術中に眠くなる理由

広瀬台はり院

コラム記事

最終更新日:2025年11月08日

鍼施術中に眠くなる理由

「自律神経失調症」や「不眠症」でお困りの方には、鍼治療もおすすめです。鍼刺激には、緊張をやわらげて、副交感神経が働きやすい状態へ身体を戻す作用があります。いわゆる「リラックスモードに切り替える」イメージです。

鍼治療は薬物療法との併用が可能で、副作用が少ない点も特徴です。薬剤によるだるさや眠気が続いている方、将来的に薬の量を調整したいと考えている方にとって、鍼治療の併用は、一つの選択肢となり得ます。

鍼治療は「痛い」イメージがありますし、もちろん無痛ではありません。しかし、鍼灸師にとっての「あるある」ですが、「寝たいのに眠れない」と訴えている方も、鍼をするとそのまま眠ってしまうことがあります。眠気が自然と表に出てくるような印象です。

当院では、必要に応じて「おへそ」と「腰」を温める赤外線治療(温熱療法)を併用します。「おへそ(神闕)」と「腰(命門)」は、中医学では「気が集まるところ」とされ、身体の基盤を整える部位と考えられています。一方、現代生理学においても、腹部や腰部を温めることで交感神経の過緊張がやわらぎ、迷走神経(副交感神経)が働きやすくなることが知られています。つまり、身体が「リラックスモードに入ってよい」と判断しやすい状態をつくることができます。

また、必要に応じて「天柱(てんちゅう)」や「風池(ふうち)」など後頭部の経穴(ツボ)を用いることもあります。この部位は、直下に「後頭下筋群(頭の位置を微調整する深層筋)」があり、刺激をすることで脳血流量や自律神経の調整に影響を与えると考えられています。いわば、「脳に対する良いフィードバック」が返りやすいポイントです。

このように、本来備わっている回復のスイッチが再び働き始めた結果として、眠気が訪れているのです。眠気は「すぐに治った」という合図ではありませんが、リラックスモードへ身体が動き始めたサインといえます。

また、「肩こり」、「頭痛」には、「不眠」などの自律神経系の不調が併発しやすいと言われています。これは、「にわとりが先か、卵が先か」と同じような関係にあり、「眠れないから緊張が取れない」のか、「緊張が取れないから眠れない」のかといった具合です。そのため、こういった症例には、「局所症状だけをみて、局所治療だけで十分」とは言えず、「全身調整が大切」と考えています。

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