広瀬台はり院|コラム|顔面神経麻痺と眼瞼下垂の関係

広瀬台はり院

コラム記事

最終更新日:2026年1月18日

顔面神経麻痺と眼瞼下垂の関係

顔面神経麻痺を発症した際に、「眉毛の位置が下がり、上まぶたも垂れてきて視界がふさがってしまった」という現象が起きることがありますが、解剖生理学的には、顔面神経麻痺が原因とは限りません。

じつは、「上まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)」は、動眼神経という別の神経が関与しているため、顔面神経とは関係がないと言われています。

顔面神経は、「眉を持ち上げたり、額にシワを寄せる筋肉(前頭筋)」、「眼を閉じる筋肉(眼輪筋)」と関係があるため、瞼が垂れ下がり目が開けられないということはありません。どちらかと言えば、目が閉じずらくなるため角膜に傷がつきやすく、目が充血する「兎眼(とがん)」という現象が起きやすいはずです。

このような「まぶたが垂れ下がる」現象が起こる理由の一つは、顔面神経麻痺の軽重と言うよりは、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」を併発している可能性が高いと言われています。なぜなら、弱まった上眼瞼挙筋の動きを前頭筋で補っている「代償運動」が背景にあるからです。いわゆる、額の力で、まぶたを頑張って開けている「努力開眼」の習慣があると言うことです。

眼瞼下垂を併発している患者さんの額には、シワが多いと言われています。顔面神経麻痺であれば、非麻痺側(健側)の額を確認するとくっきりシワが刻まれていることが多い印象です。

たまにですが、「顔面神経麻痺から回復後も、上まぶたが持ち上がらないのは、顔面神経麻痺の後遺症ではないか、、、」とご相談に来られる方もいらっしゃいます。残念ながら、一部を除き、鍼治療は不適となることが多い印象です。理由は、筋線維や皮膚が伸びて緩んでしまったものは、「形成外科手術」以外では根治しません。美容鍼でリフトアップとかも眼瞼下垂に対して効果はないとされています。

また、動眼神経麻痺は、脳・神経系の異常でも生じるため、隠れた疾病にも注意が必要です。症状の評価後、原因不明の眼瞼下垂が確認できた場合は、医療機関受診をすすめています。

顔面神経麻痺と眼瞼下垂は同時発症に見えますが、多くは眼瞼下垂の既往がある場合がほとんどです。顔面神経麻痺は耳鼻科、脳神経内科・外科。眼瞼下垂は形成外科、眼科、脳神経内科・外科が主な受診先です。参考になれば幸いです。

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